ここは「アトリエアルマ」、美大生たちが仲良く暮らすシェアハウスである。 2023年春、今年も新入生が入居してきた。

──彼らにとって、最悪な意味で忘れられない1年が始まるとも知らずに。

第一幕「春」 第二幕「夏、そして秋」 第三幕「冬」

シナリオ概要

●PL人数:3~4人 ●推定プレイ時間:2-3時間×三幕 ●舞台:現代日本 ●探索者設定 ①全員同じ美術大学に入学する1年生。(浪人生可) ②探索者は絵画学科と彫刻学科のどちらかを選択する。 ③全員〈芸術or制作:(美術に関わる技能)〉を必ず取得すること。 ④新規探索者を想定しているが、高校生以下の継続探索者を成長させて参加させてもよい。

※このシナリオにおける全ての〈芸術〉の表記は、〈芸術or制作:(美術に関わる技能)〉と読み替えること。

[特殊な探索者の作成]  芸術家の気質があるなら、多少気の狂った人間であってもおかしくはない。オプションとして、任意の不定の狂気または現代の精神障害(基本ルルブP.○参照)などを予め設定しても良い。(SAN値減少は不要)

[シナリオ途中で探索者が継続不能になった場合]  複数幕構成という都合上、もしかするとシナリオ途中で探索者がSAN値0になったり死亡したりして、継続不能になるかもしれない。その場合はKPとPLでよく話し合った上で、SAN値0でもシナリオ終了時までは探索者として使えるようにしたり、新しいアトリエアルマの住人としてキャラクターシートをもう1枚作成してもよい。

NPC情報

●生田 真憂(いくた まゆ)  20歳/2年生(1浪)/絵画学科(油画専攻)/サークル→バドミントン(ほぼ幽霊部員)/バイト→知り合いの飲食店(春夏冬休みだけ)  関西訛りの明るい男。アトリエアルマの5号室に住んでいる。芸術の道に反対だった関西の親元を飛び出して、一人で上京してきたらしい。  料理が好きで、(PCの中に料理好きな人がいなければ)このシェアハウスでの夕食はいつも彼が用意してくれる。  些か楽観的すぎるところもあるが、責任感があって場のまとめ役をやるのが得意。学長との連絡係も務めている。(寮長のようなもの)

●叶 蜜月(かなえ みつき)  22歳/4年/彫刻学科/サークル→無所属/バイト→学内の短期バイト  動く美術品のように美しい女。アトリエアルマの6号室に住んでいる。話し方にも品があり、成績優秀で非の打ち所がない。……ただし、料理したり掃除したりといった生活力は絶望的に無い。  おとなしいように見えて、意外と我が強い。特に自分が興味を持ったことについては一直線に向かっていくような性格をしている。左利き。

●油井 点睛(ゆい てんせい)  65歳男性。アトリエアルマの運営者であり、美術大学の理事長兼学長でもある。(シナリオ内では「油井」または「学長」と表記する)。自身も昔は金に困った過去があるため、同じ境遇の苦学生の支援を熱心に行なっている。普段表情は乏しいが優しいおじさんといった人柄で、たまにアトリエアルマに顔を出して差し入れをくれる。しかし、美術指導のことになると……。

舞台設定

【瀬良栄野(せらえの)美術大学について】  通称「瀬良美」。関東にある私立の美術大学。今年で創立50周年を迎える。探索者たちのキャンパスには、絵画学科、彫刻学科、情報デザイン学科、舞台芸術学科などがある。世間の評価として、超一流の芸術大学と並ぶわけではないが日本や世界で活躍する卒業生が多くいるため、界隈では安定した人気のある大学である。特に教員のレベルは、どの私立大学よりも高いとされている。